内側脛骨ストレス症候群とは?

内側脛骨ストレス症候群(Medial Tibial Stress Syndrome)はシンスプリントとも呼ばれランニングやジャンプをすることが多いスポーツ選手に多く発症し下腿内側に痛みを生じるスポーツ障害です。
発症の原因とメカニズム
発症原因として急激なランニング量の変化、足関節の柔軟性の低下、下腿筋力不足、扁平足、回内足などの足の形態異常、練習環境(固い路面など)、クッション性の悪い靴等が挙げられますが、発症メカニズムについてはまだ、一定の見解が得られていないようです。
主な症状と痛みの特徴
主な症状は脛骨の中央から遠位 1/3 の後内側に圧痛を認め、痛みの範囲は 5cm以上の広範囲に認めると言われています。痛みは運動開始時や終了後に起こると言われていますが、進行すると安静時痛にも出現します。
画像診断と疲労骨折との鑑別
画像診断には単純レントゲン、MRI、エコーを用いますが、レントゲンでは異常を認めることはありません。MRI では骨膜、骨髄の信号変化、エコーでは骨膜の腫脹、軟部組織の浮腫を認めます。ここで重要なのは疲労骨折との鑑別です。疲労骨折の中でも疾走型脛骨疲労骨折は、発症部位が酷似しており鑑別に苦労することがあります。画像のみで鑑別することは困難ですので、痛みの部位の範囲や臨床経過をみて診断しています。
治療とリハビリテーション
治療は安静、理学療法等の保存的治療が主体となります。ある程度運動量の制限や一定期間運動を中止することは痛みの緩和に有効だと思います。リハビリテーションでは足関節周囲、足底の筋力訓練、下腿の筋力訓練(特にヒラメ筋)、ストレッチを行っていきます。また、内側脛骨ストレス症候群に対する体外衝撃波は良好な成績が報告されており、当院にあるショックマスターでも対応可能です。
おわりに
最後に内側脛骨ストレス症候群は、早期の対応と適切なリハビリで改善が期待できる障害です。もしお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽にご相談ください。